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2024/11/26
(火)
- 「花を見て顔をしかめる人はいない」―。人吉市南町の自宅を数えきれないほどの本キリシマツツジで真っ赤に染めていた故・福永忍さん。花と出会うたびに思い出す▼先日、山江村の万江小学校で「花いっぱい運動」、山田小学校で「人権の花運動」が終了した。児童が種をまき、大切に育てた花が学校や地域を笑顔にする。命を慈しむ児童の姿に福永さんの言葉が重なる▼今年度は村独自の取り組みに加え、山田小はくまもと県南人権啓発活動ネットワーク協議会主催の実施校にも選ばれた。人吉球磨で毎年2校が指定を受け、花が咲いた後は種を採取して次の実施校へ▼山田小は創立150周年の節目に球磨村の渡小学校から種を引き継いだ。渡小は3月に創立149年で閉校。来年度は山田小と同じことし150周年の相良村の相良南小学校へ、種と一緒に児童の思いや学校の歴史もつなぐ▼山田小では咲いた花をフラワーアレンジメントにして地域の保育園や高齢者福祉施設へ届け、種の一部は風船に結んで大空へ。「海の向こうまで届くといいな」「飛行機から見えるかな」―。見送る児童の笑顔も輝く▼つながる命と優しさの花に、笑顔の連鎖を願う人権月間。