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2024/11/06
(水)
- 時代とともに市町村合併や学校再編が進む中、150年の歴史を持つ小学校は、その地域の歴史そのものだろう▼先日、記念式典と記念祭が行われた人吉市の大畑小学校。その歴史の中に登場するのが段塔分校。大畑町中心部から小さで川上流に向かって林道を約8キロ登った山の中にあった分校。そこは旧人吉営林署の事業所があり、大勢の職員と従事者、その家族が生活し、町名の「段塔町」は今も残る▼分校は、子どもたちの学びやにとどまらず、町民運動会、営林署の山の神祭が行われ、住民交流のよりどころとなっていた。しかし、時代とともに山を下りる住民が増え、生徒数も減少。昭和51年に休校、3年後に廃校となり、同57年ごろには無人となった▼分校、集落ともに姿は消えたが、元住民たちの絆は今も続く。「段塔町が忘れ去られないように」と、休校翌年の昭和52年に「段塔会」を結成。年1回総会を開き、交流を続けている。ことし1月には4年ぶりに44回目の総会を開催。会員の高齢化と減少が進む中、意向調査の結果、今後の継続を決めた▼各地域で進む少子高齢化と人口減少。大畑小学校とともに歴史を刻み続けることを願う。