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2024/08/31
(土)
- 今週初めから気をもまされ続ける台風10号。天災の前に人知は無力と感じた一方、順次伝えられる進路予測は心構えと対策には役立ったはず。災害対応の基本は防災であり、事後のもろもろは結果論となる▼その台風が発生からきょうで9日目と長命なのも、きわめて遅緩で迷走型のため。九州横断、さらには日本列島をなめながら縦断を続ける横暴ぶりだ。交通機関はマヒし帰省や旅行、商用の人びとが影響を受ける。それにしても台風の名称が「サンサン」とは皮肉すぎる▼皮肉といえば、くしくもあす9月1日は防災の日。暦の上では台風シーズンを迎える二百十日に当たり、いや応もなく防災意識は高まるはず。しかしその感覚は時代とともに変化を強いられる。先の日向灘地震にみられる頻発する天災へのおそれだ▼過去の大災害のたび、今でも多用される“想定外”。確かに責任への言及を避けて幅を持たせるには好都合だがその先、次の発生に向けた打開策立案と責任所在を国など、行政ほか国民は明確にしてきたか。国力低下の今、公助にはおのずと限界があり共助こそ不可欠だ▼平時の意識と対応行動こそ大切だ。“次”への備えはすでに始まっている。