HOME>>瀬音

  • 2024/08/05 (月)
  •  地球より重い生命よ…未来への希望と夢を虹色の鶴に折る▼先週、球磨村の渡保育園で行われた第45回「平和保育」。昭和55年、第35回の長崎原爆の日に始まった子どもたちの祈りは平成、令和と時を超え、最初のころ慰霊塔に並んだ小さな手は今、子どもと一緒に千羽鶴を折る▼冒頭は、ことしの平和保育で歌われた「千羽鶴」の一節。長崎県の平和祈念式典で純心高校の生徒が歌う曲。水底や野の果てに眠る人々を、平和を思い、折る緋の色や緑なる鶴…難しくも美しい言葉の響きに祈りを込める▼終戦から79年、戦争経験者に話を聞く機会が減っていく中、ことしのテーマは「受け継いでいこう戦争の悲惨さ、平和の願い」。写真や模型、絵本を通して戦争をたどり、子どもたちなりの「幸せ」と「平和」を語り合った▼かつて、平和のメッセージと花の種を風船に付けて飛ばしていた平和保育。遠い所から返事が届くこともあった。知らない地域の知らない人、そこに咲く平和の花を想像しながら色とりどりの風船を見送った夏▼小さな村の小さな保育園がまく平和の種が世界中を花畑にする未来―。8月、ことしも共に平和な未来を願い、つながる命に感謝する夏。

トップへもどる