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  • 2024/06/25 (火)
  •  梅雨入りから雨の続く郡市。長雨は退屈と思うことなかれ、五感を研ぎ澄ませば多くの気づきがあるはず。中でも最近は嗅覚が特徴的に感じられる▼この時季、降雨を予想できる独特のにおいがある。これは特定の植物が放出する油が乾燥した土や石に付着後、雨に当たることで舞い上がる“ペトリコール”という成分の作用とか。このほか雷の放電によるオゾンもあり、いずれも昔から嗅いできた匂いの一種だろう▼決して嗅覚過敏ではないと前置き。しかし同じ“におい”でも洗濯が日課ならば室内干しで生じる生乾きの独特な臭いが気になる。数年前から消臭をウリの洗剤と柔軟剤、さらに加香剤まで加えた洗濯が当然の風潮も、個人差はあろうがなじめない。芳香も強香となれば逆効果で興ざめだ▼これからしばらく、自身を含めた世のおじさん方は加齢臭をはじめ発汗後のにおいエチケットには敏感となる。以前、ネットで夫の就寝中に寝具ともども消臭スプレーを吹きかける妻のコメントを見た。スメルハラスメントを肯定はしないが、過剰な消臭や無臭社会はつまらない気も▼家庭や職場には独特のにおいがあろう。これを個性と受容できる人でありたい。

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