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  • 2024/06/07 (金)
  •  近くの田んぼに水が張られたことを知らせるように今月に入り夜になるとカエルの大合唱。やがて郡市の農村部では田植え作業が本格化する▼昨日の本紙で紹介したが、相良村の保育園では園児が素足で水田を駆け回って代かきし泥の感触や田んぼの生物に触れ、昔ながらの田植えを体験。現代の稲作は乗用型の農業機械が主流となり水田に足を踏み入れる機会は減少。子どもたちにとっては貴重な体験になった▼その場を提供しているのは、全国の被災地で支援活動に取り組む社団法人の神戸国際支縁機構。令和2年7月豪雨以降、神戸市からワゴン車で定期的に郡市入り。米作りを通して被災地を元気づけようと遊休農地を借りて「復幸米」作りを続けている▼東日本大震災の被災地、石巻市でも取り組んでおり、農業機械や農薬を使わずに全て人の力で行う。水田にイトミミズを繁殖させてトロトロ層を作り、雑草を抑制させる。「私たちがやっているのは農業ではなく農」と岩村義雄理事長▼田植え前、鍬1本で汗を流しながら黙々と田起こしに打ち込む作業風景を目にした。機械化が進んだ現代だからこそ「農」とは何か、改めて考えさせられる。

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