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2024/05/13
(月)
- かつて郡市の商店街に必ずあった書店。雑誌や漫画のコーナーが大勢の小中高校生でにぎわっていたのは遠い昔▼若いころに漫画、音楽、車の専門誌など毎月6誌を定期購読。当時は職場に配達してもらっていたが、その書店が閉店。その後、別の書店に取り置きしてもらっていたが、そこも閉店。今や個人経営の書店は数店に。愛読していた専門誌も次々と休刊し、出版不況を感じていた▼出版文化産業振興財団の調査によると、ことし3月現在、書店のない自治体は全国1741市区町村のうち482、27.7%を占めている。地方に限らず、都市部でも老舗書店の閉店が相次いでいる▼背景には、ネットでの注文購入や電子書籍の普及による売り上げ減少が大きい。若い同僚たちは、スマートフォンで小説を楽しんでおり、決して活字離れが進んだわけではないが、書店の減少は寂しい限り▼ネットもいいが、書店に行けば知らなかった分野や新たな知識との出合いがある。音楽配信世代にレコードが人気を集めているが、ジャケットや歌詞カードなど手に取り見る楽しさが分かったはず▼時には書店に足を運び、本を手にとってページを開いてはいかがだろう。