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2024/03/29
(金)
- 年度末は、異動による転勤者、退職者との別れの時。また、球磨村の小中学校閉校など今月末で歴史を終える所も▼郡市の畜産振興を支えている球磨畜産農協も76年の歴史に区切りをつけ、4月から熊本県畜産農協と合併し県内の畜協が一つになる。ただ、実現までには約30年かかり、3度にわたる合併否決が物語るように簡単ではなかった▼合併のネックになっていたのは家畜市場の統合。大津町の県家畜市場まで子牛を運ばなくてはならなくなるが、輸送手段や経費、子牛への影響など遠くなることへの懸念は根強く、球磨に限らず天草など遠隔地の畜協は否決していた▼しかし、時代とともに組合員は高齢化も進み減少。数年前まで高値だった子牛価格も値下がりし飼料や資材価格が高騰。畜産経営を巡る状況とともに組合員の考えも変化。ただ、組織統合はやむなしながら家畜市場統合には今も異議を唱える組合員も▼閉組式で有田耕一組合長は「組合員による組合員のための組合という球磨魂を基本に合併によるスケールメリットを最大限に生かす」と述べたが、これからがスタート。県内の畜産農家がともに助け合い、この難局を乗り越えてほしい。