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  • 2024/03/25 (月)
  •  今までの学校の歴史と伝統も未来に持っていきたい―。今月末、球磨村の小中学校3校が閉校する。明治7年開校の渡小学校は創立149年と最も古く、球磨中学校は昭和52年創立で47年、平成22年の開校と最も新しい一勝地小学校は14年で幕を閉じる▼3校を取材すると歴史や伝統、校風は三者三様。それぞれに“魂”とも呼べる誇りがあった。印象的だったのはわずか14年で閉校する一勝地小。「一勝地小としての歩みは14年だけれど、そこに至るまで多くの学校が統合、再編されてきた。各地域、各学校の思いも未来に持っていく」という誇り▼閉校式の会場には一勝地、高沢、三ケ浦、神瀬など各地域にあった本校や分校の写真や年表が飾られ、児童は各地域、各学校の文化や校歌を練習して発表。一勝地小を卒業していない保護者や住民にも懐かしく温かい感謝と未来への希望が伝わる瞬間だった▼災害で多くのものを失った。仮設住宅には少しのものしか持って行けなかった。けれど夢と思い出は持ち運び自在かつプライスレス。共に学び、過ごした母校の思い出を胸に、新たな歴史や時代のつくり手として被災地から未来へ、世界へ羽ばたいてほしいと願う。

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