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2023/09/30
(土)
- 今春の新型コロナウイルス感染症の５類移行を機に人流が活発化。大型イベントは通常開催となり飲食店も賑わう。さらにこれからの季節で楽しみなのが“まつり”▼わが国では一年を通し実に多くの種類があり、神社や寺院で行われていた祭事がおおもと。その語源は古語の“まつらふ”が“祀る”、さらに“まつり”に変化したとの説が有力だ。神との交流を機に五穀豊穣や無病息災の祈願、さらに宮中での公事や民間伝承における年中行事の例もあるようだ▼これに対し、単に地域の活性化や観光ＰＲを目的の事業が市民まつりの形で登場。また最近はフェスティバルを略した音楽イベントの造語、“フェス”と称した催事も目白押しだ。その一例は肉や餃子、昆虫などと豊富だが伝統のそれとは異質▼伝統といえば来月、国宝・青井阿蘇神社の例大祭「おくんち祭」が始まる。人混みをかき分けて神幸式行列を眺めたら露店で買い食い。郡市中からの訪問者で賑わいが収まらなかった独特な雰囲気も“今は昔”と感じられる▼変化が著しい時代の下、世代を超えたアイデンティティーの創出に寄与する伝統的まつり。私たちに参加の喜びと意義をも教授してくれる。
