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2023/09/29
(金)
- 錦町の球磨家畜市場で１８、１９の２日間開かれた子牛の競り市。平均価格は４９万円で５０万円台を割り込んだ。４０万円台は平成２５年以来１０年ぶり。東日本大震災、口蹄疫発生で東北や宮崎で繁殖農家の廃業が増えてから子牛価格は上昇し、一時は８０万円台の最高値を記録したが、昨年から下がり始めていた▼その要因は、飼料価格など生産経費の高騰。買い手の肥育農家は高値で買えず、全国的に相場は下落傾向。売り手の繁殖農家も状況は同じで、畜産関係者は「先が見えにくい状況」と不安を抱く。訪日外国人の増加に伴い、和牛消費も回復してくれればいいが…▼畜産に限らず全産業が多大な影響を受けている物価高騰は、ロシアのウクライナ侵攻や円安など国際情勢により長期化の様相。ガソリン価格は政府の価格抑制策で下がり始めたが、１日から数千種の食品が値上がりする▼国も生活支援策を打っているが、有効な対策は賃金の引き上げか。ただ、郡市の事業者も畜産農家と同じく原材料費高騰にあえぎ、賃金引き上げには苦慮。さらに人手不足の二重苦も。ただ、下ばかり見ていても何も変わらない。きょうは「中秋の名月」。時には夜空を見上げたい。
