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  • 2023/06/06 (火)
  •  人吉球磨に甚大な被害をもたらした令和2年7月の豪雨災害を機に各自治体の防災や減災についての取り組みを取材する機会が増え、あらためて気付かされることも多い▼以前も出水期を前に関係機関が一堂に介して開かれる防災会議や大掛かりな防災訓練を取材することはあったが、各地区の自主防災組織を中心とした地域防災力を高める活動を紙面で取り上げる機会も増えた▼令和2年7月豪雨や取材を通してあらためて強く感じることは、公助には限界があるということ。もちろん大災害時には自衛隊や警察、消防などは大きな力を発揮するが、公的機関が全ての被災者を迅速に支援することは難しい。自らの命は自ら守るという意識が重要となる▼そのためにも住んでいる地域の実情や災害リスクを知り住民間で共有することが大切。万が一の災害時に誰一人取り残すまいと、「逃げ遅れゼロ」を目標に掲げ住民主体で積極的に防災避難訓練を行っている地区もある▼「災害は忘れる間もなくやってくる」。自然災害が起こっても一人でも多くの命が助かるように公助の限界、自助・共助の重要性を伝えていくこともメディアの責務だと痛感する昨今の異常気象。

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