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  • 2023/06/01 (木)
  •  相良文書は、小藩だった旧人吉藩と藩主・相良家に関わる古文書群という。700年にわたって人吉球磨を治めた貴重な歴史が刻まれている▼「最後の殿様」とされた相良家37代当主の相良頼綱氏から譲渡され、現在は人吉市図書館と熊本県立図書館、慶應義塾大学図書館、広島大学が分割所蔵している▼県立図書館の所蔵品展「アーカイブズに見るくまもと22」を取材で伺った。歴史「検地帳から地券へ」と題し、所蔵する相良文書などを展示している▼当時、実権を握っていた家老の相良清兵衛が息子に宛てた書状を前に、応対した学芸調査課の職員が「清兵衛がこの前に座って書いていたと思うと…」と、古文書を通して400年前の江戸時代にタイムスリップ▼文学「新所蔵資料展」のコーナーでは、湯前町役場に勤務した俳人・井上微笑(1867~1936年)も紹介され、学芸員の説明から井上が俳句に懸けた思いを代弁するかのような熱量を感じた▼ネットに情報発信、収集をたよるデジタル時代の現代人と違い、人吉球磨の歴史をつむいだ先人たちの言葉が文字となり、年代を感じさせる和紙、原稿用紙に記録された世界に皆さんも足を運んでみては。

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