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  • 2023/01/26 (木)
  •  バブル崩壊以来の「失われた30年」。今さら愚痴を吐いても状況は激変しない。ひとまずこれまでどおりの忍耐▼以前の小欄を探ればすでに2000年代前半で原油高騰、地方の生活苦などの言葉が躍る。堪忍を強いられる地方の生活と対比し都市部を妬みもする。確かにその構図は今でも成り立つが異なる点が一つある。それは国全体が節約志向にあること▼今やリサイクルは身近な利用法となり、個人間取引市場は年間2兆円超。節約とともに生活費の捻出で利用も増加傾向だが、高級ブランド品ではプレミアが付く場合もあるとか。ここにも富裕層の得する構図がある▼内需の低下など国家経済の疲弊は国の失策だが、今や賃金を上げない企業への責任転嫁論が著しい。特に平成以降に乱発を続けた国債の発行残高は約1000兆円。利払い費を念頭に安易な利上げは無理だろう。物価の安定を図り国民経済の健全な発展に資すべき日銀の舵取りは困難だが、異次元云々の罪は重い▼その昔、所得倍増の実現で国が「消費は美徳」をうたう時代があった。それも今や忍耐こそ美徳へ。「成らぬ堪忍するが堪忍」と習い実践してきたが、限界もそう遠くはなさそう。

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