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  • 2023/01/21 (土)
  •  先の大学入学共通テスト。毎年ざっくりと設問に目を通すが、ことしのそれを眺めて難易度は上昇傾向と感じた。しかし受験生にとっての難問も、確実な答えがあればこそ正答時の喜びもひとしおだろう▼一方、おとな社会にも晦渋なものが多数あり、日々われわれが耳にする政治家言葉もその一つ。理解に多少の個人差はあろうが、風呂敷を広げすぎたり趣旨が分かりづらいときがある。論より証拠、議員ですら居眠りするほどだ。国民ならばなおさらで不信も募る▼不信といえば日銀の黒田総裁が評した“異次元”の形容。現首相の流用から察するに所詮は官僚言葉だったか。これに便乗し「前例なき大胆さ」などと老若の政治家が類似表現を多用する。そこに実効性への期待と結果責任が感じられないのは残念▼政治家の言葉とは分かりやすさが基本にあるべきと思う。しかしこう指摘すれば支援者を含め「誠に遺憾」と非難されそうだが、仮に驕慢さを自省せず阿諛追従を許すならばそれこそ「いかん」と思う▼今回、受験に臨んだ18歳以上の生徒らには選挙権が付与されている。彼らの耳に政治家の発言はどう届くだろう。正答なき疑問に悩み続けなければよいが。

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