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  • 2022/08/06 (土)
  •  毎日、天を見上げるほどの暑さが続く。立秋のあすは季節が秋へと移り始める節目だが、夏の暑さが極まる日でもある。秋の一文字に油断せず熱中症対策は万全に▼そんな暑い夏の代名詞、全国高校野球選手権大会がきょう開幕した。炎天下のグラウンドの表面温度は50~60度に達すると聞き、選手らの体力の程と若さを痛感。それでもやはり熱中症とともに新型コロナの弊害は気がかりだ。彼らの負担軽減と併せ、希望の喪失だけは避けてほしい▼ところで77年前のきょう広島に原爆が投下され、当年末までに約14万人、同じく9日の長崎では7.4万人の命が奪われた。ロシアが戦術核の使用をにおわせ、わが国の周辺でも不穏な空気が漂う今だからこそ私たちは平和と反戦の本質に関心を向けるべきではないか▼日々の衣食住に困らず甲子園の熱戦を楽しめるありがたさ。社会への不満は数えきれないが、そんな平凡な生活もまた泰平の世の象徴と思う。きのう、球磨川支流部で遊ぶ十数人の子を見掛け、思わず笑みがこぼれた▼原爆炸裂時、爆心地の地表面温度は4000度だった。「暑い夏」。この悪夢にあずかる意識だけはいつまでも大切にしたいものだ。

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