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  • 2022/08/02 (火)
  •  ロシアのウクライナ侵略や相変わらずの円安政策が物価高騰に拍車をかけ、経済停滞の大きな要因に。加えて所得も上がらない“悪いインフレ”は確実だ。さらにこの暑さが気を滅入らせ八方ふさがりの諦念の感あり▼気落ちしがちな社会状況で気掛かりなのが自殺で、2021年度の国内総数は2万1007人(厚生労働省・警察庁資料)。09年以来11年ぶりに増加した前年より微減だが、それでも全国では日に57~58人が命を絶っている▼先の資料では20年と比べて女性の死亡率のほか20歳代と40~50歳代で自殺者が増加。その原因や動機はさまざまだが中でも家庭および経済・生活問題が増えており、新型コロナの影響は大いにあろう▼自殺といえばちょうど半月前は人吉市出身の廣田稔さんが製作と総指揮を担った「天外者」で最後の映画主演を務めた三浦春馬さんの命日だった。まさにことしは有名芸能人の自殺報が続く。例年、夏休み明けには若者の自殺が増えるだけにその影響が気掛かりだ▼「草枕」よろしく、とかくに人の世は住みにくい。自殺者数の推移こそ気鬱さが増す現代社会の証左と国が気付けばよいが、政策を見る限り絶望的。

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