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  • 2022/06/29 (水)
  •  先週、人吉市内の女性から一本の電話をいただいた。聞くと、自宅から離れた畑にある梅の木の収穫に行ったところ実っているはずの実がなくなっていた。木の下を見回しても落果しておらず、そこで取られたことを確信したという▼青梅ではなく収穫を遅らせて熟した実で梅干しを作る予定で、漬ける瓶も用意していた矢先、あるべきものが消えていた状況に「気持ちが悪い」と明かす。梅の木は県道沿いにあり、目にした何者かが勝手に取っていったと見る▼梅といえば人吉市梅園でも以前、無断で園内に侵入し青梅を取る事例が。市は園内に看板を立てて警告しているが、小さな青梅1個であろうと無断で取れば窃盗に変わりはない。女性によると盗られた量はコンテナ2個分と推測。ただ、警察に被害届は出さず梅園と同じように警告看板を立てる予定で「来年は取らないでほしい」と願う▼昨年秋、豪雨災害で被災した市内の高齢夫婦が管理する山江村の栗園で同じように収獲期のクリが取られた事例を思い出した。被害金額は高額でなくとも所有者が受けた憤り、不安、やるせなさは大きい。何よりも他人に対する不信感を生じさせた点で盗人の罪は重い。

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