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  • 2022/06/23 (木)
  •  栃木県にある自治医科大学がことし創立50周年を迎えた。同大学は過疎地域なども含めた地域医療に貢献する人材を半世紀以上にわたり育成。地域医療を支える志を持った医師を数多く輩出している▼医療に恵まれないへき地などでの医療の確保と向上、地域住民の福祉の増進を図るため1972年に全国の都道府県が共同して設立。多くの卒業生が出身都道府県でのおおむね9年間の義務年限終了後も出身地で引き続き地域医療の実践に取り組んでいる▼県内の病院でも同大卒の医師が活躍。公立多良木病院の稲田啓介副院長もその一人。上・中球磨地域で唯一、急性期医療を担う地域中核病院で総合診療医として日々、住民と向き合っている▼過日、同病院で開かれた地域医療に携わる若手・中堅の医師らで組織する地方創生医師団のシンポジウム。稲田副院長は同医師団の副団長も務めており「誰もが幸せになれる地域医療」をテーマに講演した▼絶対的な医師不足や医師が都市部に集中する地域偏在は深刻な問題。シンポジウムに参加した全国の若い医師や医大生らから「地域医療を守る」という強い使命感が感じ取れたことをうれしく思った。

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