HOME>>瀬音

  • 2022/01/14 (金)
  •  今週、球磨村渡の小川集落で和紙の原料となるカジの皮むきと五穀豊穣を願う人吉球磨地方の小正月行事「シュンナメジョ」作りを取材。とても懐かしく伝統行事が受け継がれていることにうれしさがこみ上げてきた▼昔は農繁期の収入源として人吉市鶴田町や球磨郡の各所などで、この時季にカジや主として畑に植えられていたコウゾの束を木桶をかぶせた共同釜で蒸して樹皮を採取する光景が見られた。それが時代とともになくなっていった▼同集落でも昭和41年に一度はカジの皮むきは途絶えたが、伝統行事を残していこうと地域住民らが平成11年に復活させた。しかも文化の伝承と住民の交流、さらに地元の小学生に郷土への理解と体験、世代間交流を担ってきているというだけに素晴らしいことだと思う▼同集落は少子高齢化が進み、それに追い打ちを掛けるように令和2年7月豪雨で被害を受けるなど世帯数も減少した。それでも伝統行事を継承していこうという住民らが一体となった熱意には共感できるものがある▼年明けから人吉球磨でも新型コロナウイルス感染者の急増で伝統行事の中止が相次いでいる。ぜひ貴重な伝統行事を継承していってほしい。

トップへもどる