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  • 2021/10/30 (土)
  •  朝の冷え込みが増す中、「霧」にすっぽりと覆われることが多い人吉球磨盆地。その霧の中から突然、道路を横断する人影が現れるなど車の運転にも注意が必要な季節になった▼50年以上前に当時の人吉測候所の職員が研究会で年間霧発生日数は143日、盆地特有の放射霧と発表し、人吉の霧には“日本一”の折り紙が付くなど注目され、切っても切り離せない名物の一つに▼近年は社会環境などの変化に伴い、昔時と比べて発生日数も減少し、濃さも薄いように感じる。それでも“日本一”だったころの片鱗は残っているものの、同測候所が平成12年3月に無人、自動化されたことによって発生回数などは確認できない▼人吉市の中心部を流れる球磨川は昨年の7月豪雨で暴れ川と化したが、平素の穏やかな流れと人吉城跡、霧の風景はよくマッチし、訪れた観光客からも珍しがられるとともに喜ばれているなど、観光資源ともなっている▼自然が相手なので、これからどうなるのか分からないが、霧が発生しなくなったときのことを考えると観光業にも影響を与えかねないだけに心配だ。何か打つ手はないものだろうか。霧が発生し続けてほしいと願うばかり。

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