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  • 2021/10/27 (水)
  •  昨年7月豪雨の犠牲者への追悼と復興を願い、2年ぶりに開催された先日の人吉花火大会。これまでも有志によるサプライズ花火はあったが、30分とはいえ3000発が次々と打ち上がる光景は圧巻▼自宅2階から目にすることができたが、今回は動画サイトでライブ配信もあり、新型コロナの影響で帰省できなかった人たちも遠く離れた地で画面を通じて故郷への思いを新たにしただろう▼当初は例年どおり8月15日に予定されていたが、コロナの感染防止のため延期に。夏とは違い肌寒さを感じながら澄み切った秋の夜に咲いた大輪は被災者には感慨深く、子どもたちにも思い出深いものになった▼以前は球磨川沿いに行かなければ見えなかったが、中心市街地では被災建物の解体が進んでさら地が広がり、どこからでも見通せるようになった状況は複雑。その中心市街地で復興事業着手へ向けた検討会が始まった。来月からは地権者らの意向確認を経て具体的な事業計画作りを目指す▼人吉球磨の顔だった中心市街地の街並みは、これからどう姿を変えていくのか。被災地に何度も響き渡った花火の轟音が復興へ歩み出すスタートの号砲に聞こえた。

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