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  • 2021/10/13 (水)
  •  あす14日は「鉄道の日」。明治5年の同日、新橋―横浜間で鉄道が開通したことにちなんで制定。鉄道の役割に理解を深めてもらうため、例年なら各地でイベントが開かれるが、ことしは新型コロナの影響で中止が多いようだ▼鉄道は明治、大正、昭和と経済や生活に欠かせない存在だったが、マイカーの普及や高速道路の開通で利用者は減少。国鉄からJRへの民営化に伴い全国各地で赤字ローカル線が廃止となる中、JR九州の肥薩線、湯前線は第三セクター運営のくま川鉄道として存続し32年が過ぎた▼しかし、昨年7月豪雨で両路線とも甚大な被害を受け、1年3カ月を過ぎた現在も不通が続く。くま川鉄道は部分開通を含め復旧へ向けて歩み始めたが、肥薩線の復旧は不透明。八代―人吉間の被災状況を見れば復旧費用は莫大だろう。球磨川の治水対策、公的支援、地域住民の後押しもなければ難しい▼あすから人吉市の肥後銀行人吉支店1階のビジターセンターで被災した肥薩線の写真展示が始まる。撮影者は、早期復旧を願う国鉄とJR退職者による人吉鉄道観光案内人会。今後、地域の鉄路をどうするのか。写真を通じて復興を考える機会に。

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