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  • 2021/08/28 (土)
  •  東京パラリンピックは連日、同オリンピックに伍す熱戦ぶりを披露。障がい者スポーツの頂点を目指す出場選手はもちろん、障害を持ちながらスポーツに取り組む世界中の選手に対し称賛を贈りたい▼今大会ほど“パラ”を真剣に観戦し熱視線を送ったことがない。加齢による体力低下と身体機能への不安はあろうが、それよりも開会式前夜に見た夢の影響が大きい。その中身は幼稚園から2~3年間を共に過ごした、脳性まひの友人へのひどい仕打ち。悔恨の念で胸が痛んだがなぜ今だろう▼昨今、LGBTをはじめ、多様性社会訴求の動きが盛んだ。これは裏を返せばその実現の困難さでもある。さらに健常者の驕りや慢心だろうか、障がい者への偏見は今なお根強いと感じる。今回の“パラ”を単なる順位ではなく各選手の才能発揮が如何に衝撃的なものかを想像しながら観てほしい▼夢に出てきたN君とは再会できていないが母親とは数年前に話し、彼は今も元気で過ごしている。申し分のない身体受領を当然と錯誤しがちなわが身を反省、約半世紀を経て彼の尊厳を支えたいと強く願う▼そう切に思わせる“パラ”は感動ほか大切な何かを授けてくれる。

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