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  • 2021/08/27 (金)
  •  「せんそうは、人の命がなくなるからだめ」―。鉛筆で書かれた児童の文面を目にし、改めて平和の尊さを教えられた▼昨日の本紙で紹介した人吉市の学童クラブ「ひまわり学級」の平和学習の感想文。紙面の都合で掲載は一部となったが、絵本の朗読を通して原爆と戦争の悲惨さを学び取っているのに驚かされる▼夏の平和学習といえば、かつて郡市の小中学校で平和教育映画の上映会が開かれ、夏休み中に登校して戦争を題材にした作品を見た人も多いのでは。昭和50年に東京大空襲を舞台にした作品「猫は生きている」から始まった上映会も夏の厳しい暑さを受けて開かれなくなった▼同学級では30年前から平和学習を続けており、3年前には球磨人吉学童保育連絡協議会主催で平和教育映画の上映会を開催。16ミリフィルムと映写機でスクリーンに映し出されたのは46年前の「猫は生きている」。絵本の朗読とは違う形で子どもたちの記憶に刻まれただろう▼終戦から76年。年を追うごとに戦時を知る体験者は他界し、記憶の風化が進む。再び日本が誤った道に進むことがないよう次世代にどう語り継いでいくか。平和を享受しているわれわれの責務と考えたい。

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