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  • 2021/07/28 (水)
  •  川辺川ダム問題に再び揺れる五木村。平成20年9月11日の蒲島郁夫県知事の白紙撤回表明以降、ダムを前提としない村づくりに大きく転換していた▼当時の村執行部と議会は振興策への協議、議論を日夜重ね、職員も村民もアイデアを練った。国、県と対峙する場面も増え、厳しく詰め寄る姿はたびたび。日々緊張感が漂った▼ダム問題の浮上から人口減少、少子高齢化は急激に進み、村の中心部だった水没予定地の公共施設や民家はすでに頭地代替地等に移転。鬼気迫る姿とあの熱量は今後への悲壮感と危機感の表れだったのだろうと改めて思う▼殺風景だった水没予定地にようやく新たな施設等が完成し、歩を進め始めた矢先に再燃したダム(流水型)問題。村民の本心の部分の気持ちや思いが再び置き去りになっていないかと心配になる▼計画から長い年月の経過で関心が薄くなるのはやむを得ない。だが、五木村の方々が「苦渋の決断」を受け入れざるを得なかった背景や事実、苦悩の歴史にわずかでも目を向け、自らに置き換えて少しでも考えてほしい▼さて、25日投開票の村議選で新選良8人が誕生。危機感と不信感、村民の負託を力に邁進されることを期待する。

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