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  • 2021/07/22 (木)
  •  昨年7月豪雨後、自治体が出す避難情報のうち警戒レベル4の「避難勧告」が廃止され、5月20日から「避難指示」に一本化された▼しかし、静岡県の熱海市伊豆山で3日に発生した大雨による土砂災害では、直前まで「避難指示」が発令されていなかった。多くの犠牲者を出し、今も行方不明の人たちの懸命な捜索が続けられている▼人吉市では10日、市内全域を対象に、直ちに身の安全を確保する警戒レベル最高位「5」の「緊急安全確保」を発令。5月20日から6月4日までの2週間には、警戒レベル3「高齢者等避難」以上を3回発令した▼早期避難の重要性は理解するも、被災した住宅に暮らす80歳代夫婦2人暮らしの女性は「こうも頻発すると体力的にもたない。もう人吉市に住めないか、避難しないかのどちらか」と不安の声を漏らす。相良村の被災した福祉施設では独自の避難基準を検討する動きも▼7月豪雨で多くの犠牲を出した背景には「まさか」があった。その「まさか」は熱海の土石流にもなかったのだろうか。超高齢化社会を踏まえ、同じ過ちを二度と繰り返さないためにも、避難情報のさらなる的確、効果的な判断が求められている。

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