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  • 2020/11/21 (土)
  •  常々、この世は二元的と実感。光と影、朝と夜、善と悪のように背反した要素で大抵の課題は結論づけられる。それでは、知事が早々に答えを出した川辺川ダムはどうか▼ダム建設の賛成派と反対派、流水型と貯水型もあるが、すなわち「要か不要か」という点こそが主題となる。今回の水害を経た郡市民の意見もさまざまであり、過去50年以上にわたって建設の是非を問うてきた歴史を思えば、安易に判断できるほど軽い話題ではないはず▼先の米国大統領選挙では、双方の支持者が国を二分した。大統領制をはじめ、個人の参画など選挙への国民意識が日本とは全く異なるため一概に判断はできないが、少なくとも米国民は利得や付和雷同だけで候補者を決めてはいない。彼らは支持する確固たる意志と理由を持つ▼「毀誉褒貶相半ばする」とおり、社会における意見の相違は当然であり、まさに二元論的。偏重や強圧を弄さず互いの立場と意見を認識し協議できる人物こそ真の強者と思う。川辺川ダムについては被災者を含めた地域住民の参画が不可欠だ▼人と自然、人と人、そして現在と未来など多様な二元的要素を思索すれば、前向きな発見があるかもしれない。

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