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  • 2020/03/31 (火)
  •  先々週、コロナ騒動のさなかに70歳就業法案が衆議院を通過した。各自意見はあろうが、国家が老年世代の労働を勧奨する時代となった▼働く、いわゆる勤労とは“誰かのため”に生きることであり、生きがいを見いだすべき崇高な価値がある。よって、働く意思に年齢制限は不要だが、加齢による体力や判断力低下の恐れは、個人差はあっても確かに存在する▼身近には、齢90超でも現役の大先輩がいる。特殊技能の保持と豊かな人生経験以上に、色あせない進取の意識と強い責任感を包含した人柄もまた素晴らしい。偽善や我欲なき先輩ならば現役世代だって大歓迎のはずだ▼勤労といえば、現代企業には結構な数の働かない“妖精さん”が存在するという。彼らの心底や仕事への誇りの有無はさておき、最善の結果を求める職場で年齢などへの過剰な配慮は不合理だ。責任の下では対等関係が基本▼仕事では成果への貢献こそ重要。今後も「昔はこうだった」の、過去の披歴と手法でよいかどうか、未来志向で再検討する余裕がほしい。自己体験による強引なやり口は、単なる押しつけで自重すべき▼幅広い年齢層で、全方位対応型企業を目指すには、前向きな思考が不可欠。

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