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  • 2019/12/26 (木)
  •  師走も押し迫り、例年なら気ぜわしいはずのこの時期。先のクリスマスを比較的静かに過ごせた▼年末、恩人と知人を続けて失い、世の無常ぶりと虚しさを痛感。大切な人、貴重な時の喪失感への落胆もあろう。“当たり前”の貴重さを失う悔恨を幾度も繰り返すのもまた、人の世の常ではないか▼先週本紙に載った、人吉市出身の海軍史研究家、高森直史氏の連載「ベティー・アクスリーさんの元気な近況」が好反応。「よく遊んだ」など、アクスリー家との懐古の声しきり。一昨日には、はがきも頂いた▼この差出人は、元海兵隊員のアクスリーさんが被爆直後の長崎で決意した「福音をもって日本に尽くす」意志が、人吉での40年のきっかけだったと知り、感銘を受けたと記す▼「昨日まで戦った敵国に尽くす思い、敵味方なく“汝の敵を愛せよ”との教えの実践に頭が下がる」と謝念が尽きない様子。有縁の人々の国際交流と世界平和への貢献が続いていると知り、重ねてうれしくなったと締めくくる▼平和とその希求を口にしながら争い続ける人類。平和の象徴、スポーツの祭典が五輪大会。来年こそ穏やかな年を切望するが、環境は騒々しさを増すばかり。

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