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  • 2019/06/10 (月)
  •  蒲島郁夫県知事が平成20年9月定例県議会で川辺川ダム建設計画の“白紙撤回”を表明して10年以上が経過した。しかし、球磨川流域の抜本的な治水対策は示されず進展していないのが現状だ▼当時を振り返ると、同ダムの賛否では、善悪の対立が激化していた。そんな中、建設予定地の徳田正臣相良村長、流域最大自治体の田中信孝人吉市長が相次いで“ダム反対”を表明。蒲島知事も困難を極める中、就任半年後に決断するというマニフェストどおり、決断を下した▼それを機に流域自治体の首長などで「ダムによらない治水を検討する場」や、現在継続中の「球磨川治水対策協議会」を組織。昭和40年の7・3水害と同規模の洪水を安全に流下させる治水安全度を確保するための対策を検討している▼国土交通省は、災害を防ぐためにできることから対策を講じているが、流域住民には大雨のたびに不安に思っている人も多い。国、県が言うようにスピード感を持って抜本的な対策を急ぐ必要があるだろう▼「ダム建設計画が復活するのでは」という声もある。蒲島知事の3期目の任期中にこの問題の見通しがつくのか、流域住民は固唾をのんで見守っている。

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