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〈熊本地震2年〉復興へ尽くした1年(2018/04/21) (2018/04/21)
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震度7の地震で倒壊した益城町の家屋(平成28年4月撮影)
 熊本地震で震度7の揺れに2回見舞われ、甚大な被害を受けた益城町。昨年4月、復興に向けて全国から約60人の行政職員が同町役場に派遣された。人吉球磨からはあさぎり町職員の船津宏さん(56)と錦町職員の蓑毛正敏さん(33)が出向。1年間の業務を終え、被災地の現状、被災した人々と関わった日々を振り返った。

●船津さん あさぎり町
 船津さんは、益城町役場復旧事業課建築係に配属され、主に地震で家屋が倒壊した宅地の復旧に関する住民への支援業務に従事した。
 同町が用意した熊本市東区のアパートに単身赴任。被災した住民からの補助金相談などに当たり、公共事業の計画がはっきり決まっていないこともあって、被災者から生活再建プランが立てられないという声も聞かれたという。
 甚大な被害を受けた同町では、役場庁舎や総合体育館、中学校などの公共施設の解体がやっと始まったばかり。復興にはまだまだ時間を要する。
 1年間の派遣を終え、現在はあさぎり町農業委員会に事務局長として勤務。「配属先には日本中から多くの職員が応援に来られていて、職員間で連携を取るのに少し苦労したが、あっという間の1年だった。相談を受ける際は、被災された人の気持ちになって接することが大事だと痛感した」と語る。
 同町では、県町村会からの依頼を受け、引き続き職員の派遣を継続。今月から冨田和宏さん(43)が益城町役場市民税課課税係で業務に当たっている。

●蓑毛さん 錦町
 蓑毛さんは、益城町役場生活再建支援課住まい再建支援係に配属。仮設住宅の管理運営や入退去者の手続き支援のほか、入居者から日常生活に関する要望を聞くなど、被災した人々と密接に関わり、再建を後押ししながら職務に当たった。
 配属当時は1507戸に3885人が入居していたが、1年で1315戸3337人に。「仮設住宅の使用は2年が原則で、条件によっては延長を認めているが、中には延長できない人もいる。自立再建に至った人は少ない」と話す。
 想定外の地震が当たり前の日常を奪った。「仮設住宅に住む全ての人が自立し日常に戻ることが支援していただいた方々への恩返し」と蓑毛さん。「まだ入居者がいる中、やれることがあったと思う。それが心残り」―。
 それでも、仮設住宅内では新たなコミュニティーが生まれ、再建に向けての悲壮感はほとんどないという。
 蓑毛さんは「助け合いの精神が大切と感じた。1年で少しでも被災した人たちの力になれたと思う」と振り返り、「今回の出向で知り合いも増えた。この経験を今後の仕事に生かしていきたい」と前を向く。
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