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市立学校巡る現状提示 住民意見交換会始まる(2026/06/23) (2026/06/23)
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ワークショップで意見を交わす住民
 人吉市教育委員会の将来を見据えた市立学校の適正規模・適正配置について話し合う住民意見交換会が22日、東校区から始まった。市教委は児童生徒数の減少や学校施設の老朽化といった現状を説明し、今後の学校体系の選択肢を示した。同交換会は、市内全6校区で開かれる。
 意見交換会は、昨年7月に設置された「人吉市立学校のあり方検討委員会」(委員長・八幡彩子熊本大学大学院教授)の委員だけでは地域住民の多様な意見を集約することが現実的に難しいことから、より多くの市民から直接意見を聴取し、同委員会の議論に反映させる趣旨で企画された。
 第1回の意見交換会は東西コミセンで開かれ、約10人が出席。
 志波典明教育長は「児童生徒数の減少に伴い、教育活動の実施や教員配置などさまざまな課題が生まれている」と全国的な傾向を説明し、「10年後、またそれ以降を見据え、学校教育の質の維持向上のために方向性を示していく必要がある」と開催の目的を語った。

●少子化進み児童数急減
 市教委の説明によると、昭和40(1965)年度に9000人を超えていた市内の児童生徒数は現在4分の1以下に減少している。
 令和7年度は小学生1414人、中学生810人の計2224人だが、推計では令和14年度に小学生933人、中学生599人の計1532まで落ち込み、少子化がさらに加速する見通し。
 学校規模については、市内に「大規模校」は既に存在せず、本年度から大畑小に複式学級が設置されて「過小規模校」に分類されたことが報告された。市教委は小規模校の課題として、多様な考えにふれる機会の減少や、集団での体育・部活動などでの制約を挙げた。

●施設老朽化70億円試算
 また、校舎は市内小中学校9校中8校が築40年以上経過しており、深刻な老朽化問題も浮き彫りになった。
 国の方針に準じて改修等を行った場合、今後25年間で約70億円の経費が必要になるとの試算も示された。
 これらの課題に対し、市教委は「義務教育9年間を通じて、系統性・連続性に配慮した教育活動を行うことが必要」と強調。今後の体系として、現行の「小・中学校の見直し」のほか、「施設一体型小中一貫校」「施設分離型小中一貫校」「義務教育学校」の4案を示した。

●ソフト面問う声も
 質疑応答やその後のワークショップでは、参加した地域住民から「建物のランクや規模といったハード面(弁当箱)をつくって、そこに子どもたちを詰め込むだけの議論になっている気がする」との指摘が上がった。
 住民からは「どのような子どもを育てたいのかという『ソフト面のビジョン』を同時に進めなければ、結局は現状の課題とリンクしない」と教育の根本的な姿勢を問う声や「大規模校と小規模校に分け、学校に行きたいけれど行けない子どもたちの受け皿となる小規模校を新設するなど、今回の再編をチャンスと捉えるべきだ」といった提案があった。
 若者が帰ってきたくなるような「地域づくりの起爆剤」として議論を深めるべきだとの声も。このほか、地域住民の声を的確に審議へ反映させるため、交換会の場に同検討委員会のメンバーの出席を求める声も聞かれた。
 市教委は出された意見を同検討委員会の議論に反映させ、来年2月上旬をめどに市長へ答申を行う方針。
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