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ひとはこ図書館 目標上回る3850人来館(2025/11/18) (2025/11/18)
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大勢の人が利用した「ひとはこ図書館」
 人吉市九日町通りの肥後銀行人吉支店1階ホールで、ことし8月から10月までの期間限定で開館した「ひとよし街なか ひとはこ図書館」が、市民の強いニーズを実証し閉館した。「人吉に新図書館をつくる会」(有馬宏昭会長)が運営したこの社会実験は、設定目標を大幅に上回る来館者を集め、被災後の街なかに「本」を核にした「居場所」と「交流」の空間が必要という市民の総意を裏付けた。

●市民ニーズ高く達成率142%
 この社会実験で設定された来館者目標は2700人だった。しかし、3カ月間の合計来館者数は3850人を記録し、目標達成率は142.6%に達した。この数字はマグネットでの申告数に基づくため、事務局の岡本武憲さんは「実際の来館者はさらに2割増し以上」と想定している。
 この実績を受け、村田優子副会長は「われわれの思いだけが先行している形じゃなくて、やはり市民のニーズがあったんだというのでホッとしている」と、実験の意義を語った。運営の核となるメンバーが自主的に次々と集まったことも、「潜在的なニーズがあった」ことの証明だという。
 図書館には68人のオーナーが提供した1751冊の多様な蔵書が並び、読み聞かせや伝統工芸体験など27回のイベントを開催した。

●本を通して「異業種交流」
 この実験の最大の成果の一つは、異業種を含む多様な属性のオーナーや来館者間の交流が生まれたこと。
 村田副会長は、本を「核」として、多様な人々の結びつきがあったと振り返る。オーナーや来館者は「普段だったらいろいろな職業関係だとか、その自分たちの範囲では知り合わない人たちと知り合えてとても良かった」と口をそろえているという。単なる読書の場にとどまらず、地域に新しい人的ネットワークと偶発的な学びを生み出した。
 例えば、イベントで通りかかった人が流域治水のワークショップを見学し、高校生が水生生物にふれるなど、予測しなかった波及効果も生まれた。

●シーッのない居場所を実現
 アンケート結果でも、回答した270人のうち91.8%に当たる248人が「被災したまちなかに市民の居場所や交流の場としての図書館が必要だ」と回答し、市民の渇望を明確に示した。
 また、「会場の雰囲気」が「良かった」、「まぁまぁ良かった」と答えたのが回答者の96.4%に達した。
 有馬会長が目指したのは、従来の「シーッ」としなければならない窮屈な空間ではない「にぎやかな図書館」。高校生らは、市の図書館だと静かにさせられるが、ここでは自由に教え合ったり、話したりしながら勉強できると感動して利用していたという。
 有馬会長は、近所の方が孫と一緒に絵本を膝に置いて読んでいる光景を目撃し、「もう見たら涙が出そうになった。私の望んでいる場だ」と、先月のオーナー会議で感無量の様子を見せた。
 情報が氾濫する現代だからこそ、有馬会長は「本を読まないと真の理解はできない」と、読書と対話の空間の重要性を強調した。

●恒久設置も視野に要望へ
 成功裏に終わった実験だが、運営体制には課題も残った。村田副会長は、市民ボランティアによる「1日館長」の手配が難しかったことを挙げ、市の支援の必要性を訴えた。
 「つくる会」は今回の実験を通し、街なかに図書館などの複合施設を求めている。
 その一つとして、現在地である肥後銀行人吉支店のガラス張りのホールを継続利用することも視野に。この場所が市街地の中心地で通学路と重なり、学習スペースとしても存在意義が非常に大きいと指摘する。
 成果をまとめた報告書は、市と市議会に提出される予定。「つくる会」として、市民側からの働きかけも進める方針だ。
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