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予約キャンセル相次ぐ 郡市観光面に影響(2026/08/04) (2026/08/04)
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熊本地震の影響を受ける球磨川沿いのホテル、旅館
 7月28日に発生した令和8年熊本地震から4日で1週間を迎えた。熊本県災害対策本部が3日午前に発表した暫定値によると、地震発生から県内宿泊施設のキャンセル数は延べ約6万5500人に達し、被害額は約9億円に上る見通し。人吉球磨は揺れによる甚大な直接被害は免れたものの、観光面に甚大な被害が走る。

 6年前の令和2年7月豪雨災害以降、JR肥薩線の八代―吉松間が長期不通となっている中、地域の交通の大動脈である九州自動車道までも全面通行止めが発生し、アクセス寸断が深刻化。近隣の被災報道による風評被害も重なり、夏休みの最盛期を迎えた観光現場に致命的な打撃を与えている。

●巨大損失とインバウンド消失
 人吉市上青井町の老舗「人吉旅館」の女将で、人吉温泉女将の会「さくら会」の会長を務める堀尾里美さんは、「当分は収入が入らない中、発生から5日間で約500万円のキャンセルが出た」と苦しい胸の内を明かす。県内他地域の惨状が報道されたことで「熊本全体が危険」というイメージが定着し、予約の取り消しが相次ぐ。
 特に影響が大きいのがインバウンド(訪日外国人客)。韓国からのゴルフツアー客などの予約を取り消さざるを得なくなった。「熊本空港からの移動手段や現地でゴルフができる状況かを考えると厳しい」と悔しさをのぞかせる。
 さくら会では、高速道路の早期全線開通や従業員の雇用維持に向けた支援策を行政へ申し出る要望書を、8月中に提出する準備を進めている。合わせて被災者を受け入れる避難ホテルとしての申請も進める考え。

●復旧作業員 被災者受け入れ
 市内の他のホテル、旅館でも苦境は続く。丸恵本館では大型団体のキャンセルが発生する一方、観光客の途絶えた施設は復興支援の拠点へと機能を転換している。
 丸恵本館、朝陽館、鍋屋などでは、電気・水道・通信関係の復旧作業員が滞在。丸恵本館では子連れの被災者4組を受け入れたほか、朝陽館も避難者の受け入れ態勢を整えている。交通寸断という試練の中で、地域を支える役割を担っている。

◎“夏の合宿”消える

●予約9割減や合宿キャンセルの嵐
 球磨郡内の各町村にも重い影を落とし、書き入れ時である夏休みの予約キャンセルが激増している。
 相良村の「さがら温泉茶湯里」では、8月中の約9割に当たる約350人の予約が取り消された。球磨村の「田舎の体験交流館さんがうら」では、学校側の許可が下りず部活動の合宿がほぼ全滅。多良木町の「ブルートレインたらぎ」でも104人のキャンセルが出た。
 山江村の「山江温泉ほたる」や水上村の「市房観光ホテル」、湯前町の「ゆのまえ温泉湯楽里」でも取り消しが相次ぐ。水上村のレジャー施設では売り上げがピーク時の8割減となったが、支援物資の輸送を妨げないよう自粛した客の配慮も浮き彫りとなった。

●温泉無料開放 行政支援拠点へ
 打撃を受ける一方、復興を支える動きも広がる。相良村の「茶湯里」では県外からの応援行政職員が滞在。球磨村の「一勝地温泉かわせみ」ではキャンセルがなく、応援職員の受け入れ態勢を整えるとともに、被災住民へ温泉を無料開放して地域を癒やしている。
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