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  • 2019/03/14 (木)
  •  わが社の周りで“環境変化”が起きた。新市庁舎建設計画に伴い、隣地に通路ができ、駐車場が衣替えした。それにより、春に美しい花を咲かせていた十指に余る大木が姿を消したのだ▼数本のハナミズキは淡紅色の花弁を付け、通りがかりの市民が携帯電話でパチリと写したほど。秋には紅葉し赤い実もかれんだった。1列に並んだサクラは毎年満開に、そしてサクラ吹雪を見せ、遠目にも春を実感させてくれた。長い年月をかけて育ちなじんだ木が公共事業のためとはいえ伐られ、花が見られないのは寂しい▼花粉症に悩む友人が新聞の狂句欄で見て「上手い!」「つられて口ずさんだ」と話してくれた。「春が来た 鼻に来た 目にも来た」。それでいて、人が楽しむサクラの花見にも行けないと嘆くのだ。杉の実や茶の実鉄砲を作って遊んだ幼少時の抵抗力養成の効か、花粉症とは無縁の身は同情するだけ。ことしの花粉の飛散はひどいと知った▼予想では郡市を含む県内のサクラの開花は19日。花見が楽しみと手ぐすね引く知人も。聞くところでは、あさぎり町須恵の遠山桜はことしも見られないらしい。何年先かの復活を期待する。こちらは伐採ではないのだから。

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