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  • 2026/03/10 (火)
  •  死者1万5901人、行方不明者2519人の東日本大震災からあすで15年となる。個人差もあろうが、深く長い鎮魂の類いは今なお続く▼昨年10月、岩手県山田町の6歳女児の遺骨が特定され親元に渡った。なんとむごいこと、しかしどれほど心待ちの瞬間でもあったか。健在ならば21歳だった女児と同年の娘を持つ身として、形容しがたい親心を想像するとつら過ぎる。この15年の経過を表す接頭の副詞こそ“もう”ではなく“まだ”なのだ▼郡市でも、ことし7月には発災から6年となる豪雨災害の爪痕と被災者の心痛が残る。人吉在住のある家族の話だが、今夏には不本意ながら仮設住宅を出されるとか。全ての被災者を救うとの知事の弁に不快感を示すなど、口ぶりは行政施策に納得できていない様子▼郡市には方言で助け合いを意味する“かちゃあ”がある。全国的には集落などを単位とする共同作業制度の“結”や、地域共同体の“催合”がそう。さらには日本国憲法前文の冒頭こそ「日本国民はお互いに助け合い…」だ。私たちが支え合うのは当然の義務である▼御霊の追悼と同様、今を生きる被災者の支援を止めてはならない。

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