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  • 2026/03/09 (月)
  •  〈ダイヤモンドより平和がほしい〉。中東を中心に紛争地域の取材を続ける中、シリアで「イスラム国」に拘束され、2015年に殺害されたジャーナリスト、後藤健二氏の著書▼アフリカ・シエラレオネで子ども兵士として生きるしかなかった少年、ムリアの告白。特産物のダイヤモンドの鉱山を押さえるため反政府軍の兵士たちは民衆の腕を切り落とすなど残虐な行為を繰り返した。さらに親を殺されて残った少年たちを誘拐。兵士として訓練した▼「僕はもう銃を握りたくない…」。殺すか殺されるか二者択一の日々。誰もがやむなく己が生きる道を選ぶ。一生の重荷を背負い込むことで、子どもたちのまなざしから豊かな感情が失われた。決して目を背けてはいけない現実を伝えている▼米国とイスラエルによるイラン攻撃開始から1週間が経過。ロシアによるウクライナ侵攻も終わりを見せない中、日本は武器輸出ルールの緩和に動き出した。政府が武器の輸出拡大に踏み切れば結果的に紛争を助長する恐れもある▼命の危険を冒しても平和の重要性を訴え続けてきた後藤氏が存命なら戦後、日本が歩んできた平和国家の理念を揺るがす方針転換をどう思うだろうか。

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