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2026/02/04
(水)
- きょう4日は二十四節気の一つ「立春」。暦の上では春の始まりを告げる日だが、人吉球磨の朝は依然として厳しい寒さに包まれている▼氷の張るような寒風が球磨村のグラウンドを吹き抜ける。思わず首をすくめるような昼、グラウンドゴルフに興じる高齢者たちに出会った。「寒いのに、よくされますね」と声を掛けると、一人の女性がいたずらっぽく笑った。「寒いからするの」▼きょう4日は令和2年7月豪雨から5年7カ月であり、その人は豪雨災害で渡校区の茶屋地区にあった自宅を失った。無人のさら地となった故郷に「戻りたい」とポツリともらす。失われた日常への思いは月日が流れても、決して癒えることはない▼だからこそあえて外へ出て、仲間と笑い、自ら動くことで心身に熱をともし「心の復興」を図る。厳しい冬を「避ける」のではなく、活動の「理由」へと転換させる知恵。あまりの寒さに車内へ逃げ込んだわが身が恥ずかしくなった▼村政混乱が招いた先月の村長・村議ダブル選挙を経て、村は新たな歩みを始めている。「村長、村議、村民もみんな仲良く」という笑顔が、この地に根を張って生きる覚悟と、復興への真意を物語っていた。