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2025/12/20
(土)
- 師走が半ばを過ぎ、すでに年賀状の受け付けも始まった。目前のクリスマスだが夫婦二人では魅力も半減だ。心はすでに子どもらの帰省待ちと大みそか、そして正月へ▼過日小欄では年末からの旅行を扱ったが、大半の家庭は自宅で過ごすはず。そこで欠かせないメイン料理こそ“おせち”。手作り品と外注の二段構えが例年のわが家だが、経済的な厳しさもこのときばかりは意に介さず、しばしの安らぎを家族で過ごせる幸福に感謝の3日間▼そんなおせち料理のおさらいを。“数の子”は子孫繁栄で“田作り”が五穀豊穣。“栗きんとん”の金運上昇に“なます・紅白かまぼこ”は平和など。まだ続く。“エビ”に“昆布巻き”が長寿となり“黒豆”は勤勉という具合。正月のたび、料理を前に解説していた亡母を思い出す▼この時代、何ごとにおいてもコスパ(費用対効果)とタイパ(時間対効果)が当たり前。その点、おせち料理を含めた正月行事全般は、いずれの面においても割には合わないが、歴史に裏打ちされた伝統とは浅薄な尺度で測れるものではない。かえって残すべき価値に気付ける好機ではないか▼家を離れて百折不撓の子と過ごす年末年始。しばし水入らずの休息となろう。