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  • 2025/11/21 (金)
  •  大分市佐賀関の漁港で18日に発生した大規模火災。焼損した建物は170棟以上、焼失面積は約4万8900平方メートルに上る大火となった▼現地は、海と山に挟まれて平地が少なく家屋が密集し、狭い路地が走る漁村ではよく目にする地域。出火当時、強い風が吹いていたことで火の勢いが増し、一帯は火の海となっていった。高齢者の多い地域と聞き、人的被害を心配していたが死者は1人だけで、多くの住民が避難していた▼その要因には、住民同士が声を掛け合い、助け合った「共助」が働いたようだ。郡市でも令和2年7月豪雨では、人吉市や球磨村で球磨川の増水を受けて区長や住民が各戸を回って避難を呼び掛け、犠牲者を出さずに済んだ集落があった▼全国で相次ぐ災害に郡市住民の災害に対する意識は高まり、独自の防災訓練、共助につなげるための交流活動が盛んな地域がある一方で、集合住宅が増えて人間関係が希薄な地域も。隣近所の顔が分かり、互いに声を掛け合える関係は構築できているだろうか▼立冬が過ぎて朝夕の寒さが増し、暖房を使う日々が始まった。佐賀関の大火は決して人ごとではない。火の取り扱いには十分注意を。

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