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  • 2025/09/04 (木)
  •  日中の気温は猛暑日並みだが、うるさかったせみ時雨の喧騒がいつの間にやら終了。代わって響く秋虫の鳴き声で晩夏と初秋を実感する▼新米が市場に出回り始め、秋の味覚の代表格、サンマは大型で脂乗りもよく豊漁の見込みとか。郡市ではナシやクリが出回るなど秋の到来は確か。日本は四季あらため五季といわれる昨今、中でも春と秋が特に短い当地の場合、今の貴重な風情を存分に楽しみたいもの▼秋を使った言葉に秋波がある。秋の澄んだ波が転じ美人の流し目、ひいては自己利益で相手の関心や好意を引き付ける言動を指す。野党各党へ連携の秋波を送り続けた石破政権は結局、参院選でも大敗し党内批判が噴出。先走った退陣論の誤報まで飛び出すなど、換言すれば政権や社会の混乱ぶりの露呈である▼先の八代市長選では完全無所属の元副知事、小野泰輔氏が大差で初当選。これに国政の影響はなかったか。今回の参院選を経た自民党では、若手および中堅とベテランとの対立構図が顕著となった。民意はどちらに目を向けているか。社会自体が大きな節目に差し掛かる▼唯一、スズムシの音が未来への不安を緩和してくれる。

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