HOME>>瀬音

  • 2025/02/06 (木)
  •  予報で覚悟はしていたきのうの大雪と降雪、さらに気温の低さにびっくり。本文を打つ手は血色を失い、指先の感覚はないも同然に。恵まれた住環境でもこうだから、ひと昔前の生活に思い巡らす▼過日、なじみの在京知人が寒波襲来の注意喚起メールで、小学生時代の思い出をつづっていた。約半世紀前の当時、教室内の暖房はドラム缶を改造した火鉢一基のみ。風邪で苦しみ「寒い」と発した彼に、担任が謝罪した出来事を思い出すとか。自身の泣き言で、かなわぬ環境整備をわびさせて申し訳なかったそうだ▼昨今の気象変化も手伝い、今やどの施設にもエアコンとヒーターがある。それは結構なことだが偏屈ゆえのたわ言と前置きして一言。先人は現状改善への思案など工夫を重ねながら、知恵を涵養してきたはずだ。何ごとも過剰による、思慮機会の喪失は避けるべきと思う▼気温ばかりを語ってきたが、大半の人において寒さの際立つ所がある。それは懐具合。今や45%超の国民負担率に加え、昨今の異常な物価高で心身などぬくもるはずがない。国の未来が雪景色なみに隠れて見えなくなりそう▼将来不安を意識するほど心が冷える。寒さのダブルパンチだ。

トップへもどる