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2025/02/03
(月)
- 「この冬はミカンも気軽に食べることができません」。高齢の女性からこんな嘆きが聞こえてきた。冬はこたつでテレビを見ながらミカンを食べる。日本の冬の風物詩とも言える光景だが、冬の定番果物の価格が高騰している▼1年を通した高温の影響で主要産地の収穫量が減少。それに「裏年」も重なり今後も供給不足は続く見通し。人々の健康に欠かせないビタミンCやクエン酸、カリウムなどの栄養素が含まれるミカンが庶民にとっての冬場の身近な果物でなくなってしまった▼物価の上昇といえば、昨年からキャベツや白菜などの野菜の価格も高騰。購入を差し控え野菜を食べる量が減少すると免疫力が低下。健康維持にも悪影響を及ぼす。ミカンも血流改善や免疫力向上、ストレスの緩和などに効果があると言われている▼「物価上昇に負けない賃上げを起点に国民の皆さまの所得と経済全体の生産性の向上を図っていく」。石破茂首相が先の施政方針演説で述べたその“約束”は果たして実現するのか▼日ごろからバランスの取れたおいしい食事で病気の予防や治療につなげるためにも食料品の価格が落ち着きを見せてくれるのを願わずにはいられない。