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2024/09/13
(金)
- 先日本欄でサンマにふれたが、店頭でもう一つ変化が見られるのは、空きが目立つ米の商品棚。“令和の米騒動”は良食米産地の郡市にも影響▼早期米の収穫が終わり、来月からは新米が本格的に出回るが、郡市の販売業者には、関西など都市部から個人注文が急増。生産者も都市部の親類に保有米を送るため品薄になっているという▼ことしの米騒動の要因に挙げられるのが、昨年の米どころ秋田や新潟の不作、コロナ禍明けで訪日外国人観光客の増加に伴う需要増による在庫減少。それに加えて「米がなくなる」という不安から買いだめに走る集団心理も拍車をかけているようだ▼米騒動と聞いて思い出すのは平成5年。長雨、日照不足で分けつが少なくなり、病気も多発。台風も重なって郡市だけでなく全国的な凶作に。深刻な米不足に陥り、国はタイ米を輸入。球磨焼酎蔵元もタイ米で仕込みを余儀なくされた▼31年が経ち水田の転作と人口減少が進み、米から麺、パンへの移行など食生活も多様化した。平成の騒動時、販売業者が「今までいつでもあるという安心感から米に無関心過ぎたのでは」との言葉は今も当てはまる。日本の食を考える機会にしたい。