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  • 2024/07/09 (火)
  •  猛暑続きの梅雨ながら専門家によれば夏前の今は大掃除に最適とか。確かに極寒の年末の水掃除は抵抗があるし、農作業も落ち着き師走ほどの気ぜわしさは少ないと思う▼臭いものにふた、黙認を決めてきた棚の後方や照明傘の清掃ほか、倉庫や壁際のカビ汚れの除去には理想的な季節。清潔感の心地よさ、さらに作業後の達成感が感動を誘う。とにかく掃除で気分を害することはないので、ぜひ検討を▼掃除といえばイエローハットの創業者、鍵山秀三郎さんをおいて勝る人はいない。掃除を通し心と社会のすさみをなくそうと「日本を美しくする会」を作り、今や国内外でトイレを中心に清掃活動を続けている。美化意識の向上と環境維持に一石二鳥の試みは結構な話▼そういえば鎌倉時代の僧で作庭家の夢窓疎石は庭を通し自身の心を磨いてきた。それを「繊塵もたたず」と表現し、とにかく掃き清めている。清掃こそ心の修行との疎石の解釈と鍵山さんの意識の相似は決して偶然ではない▼個人的には無心を求めた除草作業も今や趣味に近づいた。一意専心、没入後の心地よさは掃除など身近な行動でも体感できる。ただし決して無理せず暑さ対策は万全に。

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