HOME>>瀬音

  • 2024/05/02 (木)
  •  大型連休の中日、あすは憲法記念日だ。生活に身近な法律の基盤、ひいては国家の礎でもある憲法。国民の関心はそれほど高くはないが、ことしで制定から77年の“喜寿”超えだ▼現行憲法は戦後のGHQ草案が大本とは周知だろう。さらに外国人の押し付けと憤慨する保守派の人びとの声はまだ根強い。改憲理由のひとつながら実は草案作成には第一次吉田内閣の国務大臣、金森徳次郎ほか左右両派の学識者など複数の日本人が関係した事実をぜひ知ってほしい▼あすは全国各地で改憲と護憲を訴える集会がある。両派の賛否と固定概念、参加の端緒はともかくその場にいる価値は十分にある。可能ならば憲法をより総合的、俯瞰的視点で捉えて両派の長短を客観的テーマに語れる意識がほしい。主張と並び謹聴の姿勢こそ必要▼ロシアのウクライナ侵略戦争、イスラエルとパレスチナの紛争をはじめ中国の軍事圧力強化と核を臭わす北朝鮮の存在は大きな脅威だ。ちなみに中国のことしの国防費は表向きで約35兆円。改憲が脳裏をよぎるものの喜寿超え憲法への拙速な加療は危険。国民による十分な検査が必要だ▼治療の判断を誤れば症状悪化は必定。ぜひ関心を。

トップへもどる