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  • 2024/02/22 (木)
  •  郡市が有する日本三大急流の球磨川と、彼岸に開帳する相良三十三観音。きわめて恣意的だが両者の共通点こそ「3」だ。きょうは数字に関した話▼先ごろ、日本の名目GDPが世界第3位から4位に後退したと報じられた。円安とドル換算での目減りなどを理由の楽観論を散見するが、日本人とすればこの差は大きい。球磨川のように「三大〇〇」などと“三”を好む国民性に従えば「早起きの得」や「文殊の知恵」のことわざにも納得▼報道では“多様性”を引用し、経済力順位に固執せず国民の幸福度向上などを訴える論調もあったが、先人の労苦とその恩恵を享受して語れるものではない。豊かさの尺度は十人十色で互いに尊重すべきだが、現実に即した理想像を明示してほしい▼わが国の経済力、国力の低下は数字上でも明らか。この日本経済の停滞を「失われた30年」とも表するが、少なくともそのうちの20年超、ある政党の複数の派閥が脈々と続けた裏金作りが露呈もした。時は確定申告期。人吉税務署での有無は不明だが、各地で“裏金”を巡った苦情が続く▼先の数字にならえば三悪党だが、その数は到底収まらないだろう。まさに三界無安である。

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