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  • 2022/12/28 (水)
  •  骨董品や絵画などの美術品だけでなく、日常生活にあふれる何気ない物が時を経ると価値を増すものがある。テレビ番組の“鑑定団”でもよく登場する昭和のおもちゃや車などの類い▼おもちゃは、子どもの遊び道具だから壊されるのは当たり前、包装箱など最初に捨てられる。車も新車が出るたびに買い替えられ、燃費の悪い古い車はスクラップに。かつて消費は美徳として使い捨ての時代も拍車をかけた。数が少ない希少性に熱烈な愛好者が存在し、驚くような高額で売買されている▼個人的に懐かしい物が好きで、昔からリサイクルショップに足を運んでいるが、ここ数年掘り出し物に出会う機会が減った。ネットでのオークション、フリーマーケットの普及にあるようだが、実際に物を手に取って状態を見極める目利きの楽しさが奪われるようで寂しい▼「猫に小判」「豚に真珠」の例えにあるように価値ある物でも分かっていなければ無駄な物としてごみ扱いになってしまう。年の瀬に向け、これから大掃除の家庭も多いだろう。整理して捨てようとしている古い物の中にも、もしかするとお宝があるかもしれない。見方を変えてもう一度確認を。

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