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  • 2022/10/28 (金)
  •  10月も終盤に入り、季節は中秋から晩秋へと変わるころ。それを境に秋の爽やかさにも肌寒さが加わり、冷え込みが強く明け方などには寒さを感じ、暖を取るためにこたつを出した家庭も多かろう▼ことしは、小子の庭先にある柿の木もそうだが表年とあってか、他の柿の木も朱色に熟れた実がたわわになっている所が多い。まさに鈴なりという表現がぴったりの光景で、晩秋の風情を感じることができる▼知ってのとおり柿には甘柿と渋柿がある。以前は、この時期になると農家では渋柿をちぎり祖父母や子どもたちが皮をむいて軒先につるしていたが、今はあまり見かけない。果物が豊富でなかった時代は、干し柿も格好の保存食だった▼昔は、登下校の際に柿をちぎり、それを服できれいにふいてかぶりついていた。だが今の子どもたちは柿を食べなくなったと聞く。皮をむくのが面倒なのか、それとも果物が豊富にあるためだろうか。時代の移ろいを感じる▼庭の柿の木の実を狙って小鳥らがおいしそうについばんでいる。熟した実がぽとりと落ちる光景を目の当たりにするともったいないと思う。自然の恵みを大切にするためにもお裾分けできないものか。

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