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2022/05/24
(火)
- 春から夏は花々の季節といってよい。自然豊かな郡市の場合は山あいに行かずとも、町中で見事な咲きっぷりに出合うはず。先ごろは近所で育つカキツバタが見事だった▼見事な咲き方といえば、錦町の球磨川河川敷に自生するツクシイバラもそう。ちょうど見頃を迎えており、車両ナンバーを確認したら遠来組もちらほら。わが国の固有種で九州南部にしか分布せず、県の準絶滅危惧種に指定されていると聞けば多少は見たくもなろう▼そんなツクシイバラの生みの親ならぬ、存在価値を見抜き世に送り出したのが流郷由紀子さんであり、彼女を単独で支えた人物こそひとよし森のホール代表の小川香さんだ。河川改修工事で消えゆく運命だった同イバラ保存のため町役場や国土交通省、関係者に働き掛けた活動は多くが語り継ぐ▼小川さんが設立した保存会は現在、同町の桑原史佳さんが担い、定期的な草刈りをはじめ、一昨夏の水害後も支援者と精力的に活動。表には出ない多くの人びとの努力があの可憐な花々に凝縮されたと思えば、その美しさは格別▼なお流郷さんの個展が同ホールで開かれており27日まで在廊とか。当時の話に興味のある方はぜひ訪問を。