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  • 2022/05/14 (土)
  •  あすが中日の大相撲では地元熊本出身の正代関が黒星先行。ファンには申し訳ないが、たとえ立派な体躯を持ち得ても必勝とはならないのが相撲の醍醐味である。勝負の行方など何ごとも未来は読みづらい▼勝負といえば聞こえはよいが国家間のそれ、戦争となれば話は別だ。多くの命が奪われ続けるロシアのウクライナ侵略はまさに、大国による小国の蹂躙。例えは悪いが国力を基に相撲番付けで表せば、横綱と幕下小兵の勝負模様だ。しかし決着はつかず大国のおごりは確か▼おごり絡みで一つ。経済や政治、スポーツの世界では一定の必勝法が存在する。野球では9回裏2アウトからの大逆転劇、選挙は下馬評を覆す新人の当選とベテランの失職。さらに経済界でも大手企業や歴史ある店の倒産や廃業が日常の世だ。負けの理由は何か▼平戸藩主だった松浦清は自著『常静子剣談』に「負けに不思議の負けなし」と残す。先場所は4連敗のスタートながら勝ち越し、無事にかど番を脱した正代関のきのう時点の戦績は1勝5敗。あと3敗で来場所には再び、かど番の危機が訪れる▼生存に不可欠な未来への希望とは、強者に屈さぬ強固な意志と信じたくなる昨今。

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